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応用物理学会

Sr[Ta0.7Nb0.3(OC2H5)5(OC2H4OCH3)]2の蒸気圧

Vapor Pressure of Sr[Ta0.7Nb0.3(OC2H5)5(OC2H4OCH3)]2

はじめに

SBTN用MOCVD材料として我々が提案しているSr[Ta0.7Nb0.3(OC2H5)5(OC2H4OCH3)]2 [1]は、室温で液体の新規化合物である。
Sr[Ta(OC2H5)5(OC2H4OCH3)]2 [2] とSr[Nb(OC2H5)5(OC2H4OCH3)]2 [3]の混合生成物で、既に舟窪らは[1]をバブリング供給で使用し、良好なSBTN膜を得たと発表している 1)。

今回我々は、[1]の詳しい蒸気圧をCVDの実際に近い気体飽和法によって測定し、同時にその蒸気組成を調べた。また、[1]の構造を調べた。

実験及び結果

[1]は[2]24gと[3]8gを混合熟成して得た淡黄色の液体で、その組成はTa=26% , Nb=5.3% (Ta/(Ta+Nb)=0.72)であった。これを28g充填したガラスシリンダーの底部よりキャリヤーガス Arをバブリングし、上部よりArと[1]の蒸気を冷却管に導きトラップした。回収物のSr,Ta,Nb量はICP発光分光分析で定量した。全圧10Torr、160〜210℃、Ar30〜60sccm、15〜40minで、各ランの蒸発量は0.4〜1.2gであった。

気体で単量体であると仮定して圧力に換算し、Clausius-Clapeyronプロットした(図)。図より、0.1Torrの圧力を与える温度は175℃、蒸発熱ΔH=26.2kcal/molであった。蒸発回収物のTa/(Ta+Nb)は0.68〜0.74、(Ta+Nb)/Srは2.3〜2.0と、ほぼ仕込みの組成比であった。またこの回収物のEI-MS測定結果より、[1]はSrTaNb[(OC2H5)5(OC2H4OCH3)]2と[2]の混合物であり、[3]は消失していることがわかった。

Sr[Ta0.7Nb0.3(OC2H5)5(OC2H4OCH3)]2 : Log10P = -5731/T +11.79
P : Torr T : K

1)三矢,石川,額賀,渡辺,舟窪,第47回応用物理学関係連合会予稿集 ,p.531 ,30a-P11-19(2000.3).


第48回春応物予稿集P557(2001)