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応用物理学会

La用新規MOCVD材料La(dibm)3の蒸気圧

Vapor Pressure if La(dibm)3 for MOCVD

はじめに

PLZTやBLTなどの強誘電体酸化物薄膜のLa原料化合物として現在用いられているLa(dpm)3 <La(C11H19O2)3> は、融点が260℃と高いため気化器で固体析出の可能性があり、溶媒に対する溶解度が低いため、溶液気化法では使用可能な溶媒が限られていた。またデポ温度が高いという問題点もあった。そこで今回我々は、融点が低く溶媒に対する溶解度が高いLa化合物を探索し、新規化合物であるLa(dibm)3 <La(C8H15O2)3 トリス(ジイソブチリルメタナト)ランタン>を合成した。このLa(dibm)3の蒸気圧をはじめとする各種物性を調べたので報告する。

実験及び結果

La(dibm)3は真空下、蒸発精製して得た。融点は 110℃、室温では淡橙色の固体である。La含量は22.7wT%(理論値23.0wT%)。トルエン、シクロヘキサン、THF、酢酸n−ブチルに対する溶解度は 2.6〜3.6mol/Lであった。ベンゼン凝固点降下法による分子量測定の結果、会合度は1.98であった。また熱分析によりLa(dpm)3より低温で熱分解することがわかった。

La(dibm)3を担持したセラミックス粒をガラスシリンダーに充填し、底部よりキャリヤーガスArを入れ、上部よりArと蒸発した La(dibm)3を冷却管に導きトラップし、そのLa量をICP発光分析で定量した。全圧10torr、170〜 210℃、Ar30〜90sccm、140〜120minで、各ランの蒸発量は0.06〜0.11gであった。気体で単量体であると仮定して圧力に換算し、 Clausius-Clapeyronプロットした(図)。図より、0.1Torrの圧力を与える温度は229℃、蒸発熱ΔH=28.5kcal/molであった。La(dpm)3の昇華圧は、205℃/0.1torr、昇華熱ΔH=38.1kcal/molであった。

La(dibm)3 : Log10P=-6226/T +11.41
La(dpm)3 : Log10P=-8329/T +16.42
P:Torr T:K


第49回春応物予稿集P822(2002)