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応用物理学会

MOCVD用新規液体LiTaダブルアルコキシドの熱解離

Thermal dissociation of a new lithium tantalum double alkoxide

はじめに

LiTaO3薄膜用のMOCVD材料として、LiとTaを1:1の比率で含む新規のダブルアルコキシドである LiTa(OC2H54(OC2H4OCH32[T]を合成した。 本化合物は室温で液体。各種溶媒に可溶であり、MOCVD原料として期待できる。 その物性とCVD原料としての熱解離特性を調べたので報告する。

実験及び結果

[T]は真空下、蒸留精製して得た。その組成はLi/Ta=1.1であった。 融点は0℃以下、室温で淡黄色透明な液体で、トルエン,ヘキサン,THFなどの有機溶媒に任意に溶ける。 ベンゼン凝固点降下法による分子量測定の結果、会合度は1.72であった。熱解離の起きにくさを調べるため、180℃で発生する蒸気組成を測定した。 [T]をガラスシリンダーに36.0g仕込み、180℃に保った。 全系を10Torrに保ちつつ、キャリヤーガスAr30sccmを底部よりバブリングし、Arと化合物の蒸気を冷却管に導きトラップした。 60分毎にガスを止め、凝縮物(約1g)を回収し、そのLiとTaの定量をICP発光分光分析で行なった。 この結果、この化合物は最初からLi/Ta=1の組成で蒸発しており、熱解離はおきなかった。 よってバブリング供給法でも溶液気化法でもLi/Ta=1のガス供給ができるであろうことがわかった。 [T]の蒸気圧は約0.25Torr/180℃であった。


第50回春応物予稿集P601(2003)