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応用物理学会

Nb2O5、NbN薄膜用新規ALD材料の物性

Properties of a new Nb2O5 and NbN source for ALD

はじめに

キャパシタやゲート用の酸化物膜、電極膜等は、極薄膜化や厳密な膜質制御が要求されている。 この要求を満たすためにALD成膜が盛んに検討されているが、ALDに好適な材料は多くはない。 今回我々は、Nb2O5、NbNの両方の薄膜用ALD材料として好適と思われる新規化合物、 Nb(NtC5H11)[N(CH3)2]3 <ターシャリーアミルイミドトリス(ジメチルアミド)ニオブ>を合成し、その物性を調べたので報告する。

実験及び結果

Nb(NtC5H11)[N(CH3)2]3 は、100℃/1Torrの蒸留で得た融点47℃の暗黄色固体であり、1H-NMR、CHN分析、EI-MSによりその構造を確認した。 この化合物はトルエン、オクタンに易溶である。化合物の蒸気圧を、実際のCVDに近い気体飽和法によって測定した結果、 fig.1のクラウジウス−クラペイロンプロットを得た。

図中に比較として、金属種がTaであり、本発表材料と同じ構造を持つTa(NtC5H11)[N(CH3)2]3〈Taimata〉の測定値を示した。

0.1Torrの蒸気圧を与える温度は76℃であり、蒸発熱は16.3kcal/molであった。 この化合物は、酸素、水、アンモニア等のALD成膜を行う際に使用する反応ガスとの反応性が高い。 また、既にALD材料として用いられている各種Hfアミノ化合物、Taアミノ化合物との相互反応が起こりにくい。

以上より、この化合物はNb2O5とNbNの両方の薄膜用ALD材料として好適であると思われる。

Fig.1 Clausius-Clapeyron plots of Nb(NtC5H11)[N(CH3)2]3 and Ta(NtC5H11)[N(CH3)2]3
Nb(NtC5H11)[N(CH3)2]3:log10P=-3573/T+9.21(P.torr T.K)


第52回春応物予稿集