製品案内

Vision ソフトウェア

高い汎用性と簡便さを併せ持つラジアント社製強誘電体テスターの制御ソフトウェアです。
強誘電体テスターに対する実行命令、データの収集、加工、解析を実行します。
テスター背面のSensor端子からの取り込みやGPIBコマンドやFile Start/Abortコマンドによる他の機器とのコミュニケーションが可能な為、他の装置と連携した複雑な計測を簡単に実行可能にします。

    Visionソフトウェアは2つの考え方でフレームが作られています。
  • 初めての試料を1つずつデータを確認しながら測定を行うQuikLookモード
  • 複雑なプログラムを自作して(ドラッグアンドドロップで組み立て可能)実行するEditorモード

特にEditorモードでは印加電圧を変えながらや、GPIBを介しての温度、磁場の制御と組み合わせた各種計測が自由に設計可能です。

Visionソフトウェアには、各種データ計測、GPIBでの制御、座標内容自動変換、グラフ化、データのエクスポート、繰り返し制御等の細かなプログラムが実装されております。
例えば、下図のSensor端子とラジアント社製e31計測冶具や他のd33計測冶具等と組み合わせることで、Hysteresis LoopとButterfly Curveを同時に取り込みグラフ化します。

PZTN薄膜のHysteresis LoopとButterfly Curve

PZTN薄膜のHysteresis LoopとButterfly Curve

Visionソフトウェアの特徴

Visionソフトウェアは計測のための各種Task(Hysteresis、PUND、I/V等)、計算Task(平均化、加算除算等)、GPIB制御Task(温度、磁場等)、表示Task、ファイル出力Task、制御Task(繰り返し、条件終了等)といった多くの役割を持ったプログラムを収納しています。
ユーザー毎に複雑な実験(Experiment Design)を行うために、複数のTaskを任意に組み合わせることが可能です。また、過去に実験済みのプログラムを呼び出し、別試料に対して同一の実験を実行することが可能です。
最新のVisionソフトウェアでは、複数プログラムの途中に別プログラムを追加することや、無効化することが可能となり、より簡便に一連のプログラムを組み立て直すことが可能になりました。

DataSet

DataSetはVision Test Measurement Softwareの心臓部に当ります。HDD上にあるデータ・コンテナです。実験の為にテスト・エディターで創造した全テストの仕様(Experiment Design)や、 これによって収集した全データ(Experiment Data)が Dataset中のアーカイブに集積されます。得られたデータは DataSetから実行されるそれぞれのテスト・シーケンスに関連付けて組織的に記録されます。 データ・セット・アーカイブに保存されたあらゆるTaskにも特別な名前が付けられます。 実行時刻も集積されるので、ユーザーはDataSetの中に保存されている過去のデータの完全な履歴を再現できます。
DataSetは解析の為に得られたデータをグラフにする時にいくつかのツールを提供します。DataSet内や別の DataSet内にある別の記録として得られたデータを呼び出し、同じグラフに同時に書出して比較する事が出来ます。 また、全てのデータ・セットとテスト・シーケンスを社内LANや e-mailで他の研究者に送る事も出来ます。
Vision Softwareはテスターと接続していないPC上でも動作します。テスターを接続していないPCでは、直接的にテスト・シーケンスを実行するのではない点(テスト・シーケンスを実行しても正しいデータが得られない)を除けば、テスター上のVision Softwareの全ての機能を実行します。テスト・シーケンスの構築を行い、それをテスターに接続しているホストPCに移植し、実行後に結果を回収できます。
このことは、実際の計測中に別のパソコン上のVision softwareでデータ解析、グラフ化やデータの外部出力を行えることを意味しています。 この機能を実現するために、Vision Softwareは複数台のPCにインストールすることが可能です。

各種Taskの分類と説明

Task Library: それぞれ役割に応じて、Filter(フィルター)、Hardware(ハードウェア)、Parasitics(浮遊容量)、Program Control(プログラム制御)の4つのフォルダーがあり、各種Taskを収納する場所を指します。

フィルターTask

Vision 5.11.6 現在、フィルターTaskは計29のTaskで構成されています。Visionで計測した計測結果の平均化、増減、外部データへの出力等を行います。
Collect/Plot(データの収集)、Sensor Collect/Plot(センサーデータの収集)、Averaging(平均化)、Math(計算、除算や微分等の処理)、Noise Reduction(ノイズ除去)、Special Purpose(特別な目的、RT6000、RT66Aからのデータの読み込みや外部データへの出力)、Task-Specific(タスク固有処理)等があり、目的に応じた細かな計測定義の設計が可能です。

ハードウェアTask

Vision 5.11.6 現在、ハードウェアTaskは計54のTaskで構成されています。各種計測TaskやDC Bias制御、GPIBを使用した外部機器制御等を含んでいます。
下記にハードウェアTaskに含まれる代表的なTaskを説明します。

Hysteresis
強誘電体メモリー試料の非線形分極応答を計測し、分極が不揮発性である事を確認し、メモリーデバイス等での試料を性格づけします。
RT6000 の CHARGE4 と MANUAL4 によって、以前に改造された全ての機能を引き継いでいますが、そのスピードはμsecのタイミングです。ヒステリシス・ループは最速で 40μsec、或いは、マイクロ秒のステップで1サイクル当り 30 sec 迄、可能です。キャパシターの自動スケーリングは1pF〜50μFまでと広範囲です。RT6000 の場合はプリセット・ループとデータ・ヒステリシスループとの間の遅延時間は自動的に1秒にセットされますが、Vision Softwareのヒステリシス・タスクを用いるとループ間の遅延は、100μsec〜30 secまで可変です。自動増幅機能(スケーリング)は手動に、或いは顧客の設定したプロファイルにも変更が可能です。これらは全て Radiant社の過去の経験を基に組みこまれました。
現在、電位挿引の種類は、標準分極、標準単極、2重標準分極、自作プロファイル等が組み込まれています。
外部の変位計との組み合わせにより、バタフライカーブの計測も可能です。これにより圧電応答性能を計算することが可能です。

Remanent Hysteresis
上記のヒステリシスの標準的な計測は印加電圧に対する試料の全体的な応答を示す方法としては特に効果的なツールです。この応答は幾つかの線形容量源と非線形強誘電性メカニズムとのミックス状態を代表しています。残留分極値と非残留分極の混在です。残留分極が重要な値になります。非残留成分も残留分極と共にスイッチしますが、試料への印加電圧がゼロボルトに戻ると、非残留分極はスイッチ状態には留まらず、散逸します。よって、この分極成分は非線形であっても試料のメモリー特性には貢献しません。
このレマネントヒステリシスタスクは、どれだけの量の非残留分極成分が試料の中に有るのかを測定します。

Remanent Hysteresis計測結果

Remanent Hysteresis計測結果
(青線:通常のHysteresisに相当、緑線:常誘電体成分+漏れ電流成分等、赤線:強誘電体成分)

PUND
PUNDTaskは5つのパルスを使用して強誘電体メモリーの特徴を計測する標準的な計測タスクです。レマネントヒステリシスタスクと同じように、非残留成分と残留分極(Qsw成分)を計測することが可能です。同時に計測結果からEffective Capacitance: Cef (nF)、Dielectric Constant: Kefも算出します

Leakage
Leakage Task は印加 DCバイアスの関数としてサンプル・デバイスを通過する電流リークを測定し、漏れ電流特性を明らかにします。 ユーザーがDCバイアス電圧を決定し、その電圧でのデバイスの測定時間を決め、入力電流の集積時間長を決めます。 集積時間は1m秒〜30秒までを選択出来ます。このタスクに於いては 1pA或いはそれ以下の電流も捕獲します。

Simple Pulse
Simple Pulse Task は単一の測定パルスを実行、或いはパルス高さ等の設定を行います。ユーザーは General Pulse Tasks で独自パルスを設定するのと同じようにパルスのパラメーターを決めます。すなわち、電圧、パルス幅、プリセット DCバイアス、およびプリセット・バイアス時間です。 パルスを繋ぎ合わせて計測定義を計画することで、Multiple Simple Pulse Tasks (重複シンプル・パルス形成)として思うままのリテンション試験やインプリント・テストが実行出来ます。

Advanced C/V
Advanced C/V Task は一定の印加電圧に於ける一連の微小パルス信号に対する試料の応答としてCapacitance(キャパシタンス: 静電容量)を計測するCV測定法です。ユーザーは 測定用信号のDCバイアス電圧、パルス電圧高、パルス幅、計測v点数を指定します。分極有、無の場合の静電容量が各電圧のレンジで計測できます。

I/V
I/V Task は印加電圧プロファイルに従った階段状の電圧印加により試料を通過した電流を計測するIV計測を設定します。ユーザーは 測定用信号のDCバイアス電圧、慣らし時間、計測時間、計測点数を指定します。 分極有、無の場合の電流値が各電圧のレンジで計測できます。

Imprint
Imprint Task は単一キャパシターについて手動で、あるいは設定に基づいて自動でインプリント・テストを実行します。ユーザーはサーマル、ダイナミック、或は DC バイアスの何れかのインプリントのソフトを立ち上げ、そこに初期ファティーグ・ストレスを指定する事も出来ます。ユーザーはファティーグ、インプリント周期、分極測定に対してGPIBを通じて異なる温度に設定出来ます。

FATIGUE
疲労試験としてストレス負荷と計測を実行します。ストレス負荷として試料に分極反転を伴う連続波を指定の時間にわたり印可します。各連続波後に、試料の分極応答を計測するためにPUND計測を実行します。それぞれの連続したストレス負荷時間を、単純増加や指数関数的に増加させることも出来ます。

Fatigue計測結果
Fatigue計測結果

3kHz 6V三角波を使用した疲労試験結果。繰り返しに伴い残留分極が小さくなっていることが確認出来ます。

PIEZO-ELECTRIC
ピエゾ応答を取り込むための有料Taskです。この計測のためには外部の変位計測装置(AFM、レーザー変位計等)をテスターと接続させることが必須となります。Advanced Piezo Taskを使用することで、計測時に生じる試料ドリフトを低減し、最大100回迄の繰り返し計測を行い、自動的に圧電定数であるd33を求めます。

MAGNETOELECTRIC
ラジアント社の新磁気電気応答Taskは、強相関材料や磁気圧電複合デバイス内の磁気電気結合係数を計測します。その試験は試料を微少AC磁場で励起し、試料で生じた発生電荷を計測します。ソフトウェアは専用装置と共に提供されます。

磁気電気計測結果
磁気電気計測結果

試料は強誘電体に磁石を貼り付けて、マルチフェロイックの特性を持たせた疑似試料です。外部磁場に応じて電荷が生じていることがわかります。

TRANSISTOR
ラジアント社はI2Cデジタルアナログ変換器を開発・販売しました。PMIIやMultiferroicテスターに接続し、Visionソフトウェアでこの変換器を制御します。この第3の外部電源の追加により、強誘電体薄膜ゲートトランジスター(TFFTsとMFSFETs)の特性評価が可能になりました。ゲート、ソース、ドレインの関係を明らかにするため、いくつかの専用ソフトウェアから構成されています。I2Cデジタルアナログ変換器と共にオプションとして購入可能です。

Waveform
Waveform Task は任意波形発生ソフトです。Precision premier II の場合では、 Sine波、三角波、矩形波を正、負で、1MHz 〜 0.03Hz 迄、15Volt(各PrecisionテスターのMAX値はそれぞれ異なります)までの振幅で形成します。ユーザーは信号関数、最大電圧、周波数、および任意の DC バイアスを信号に重ねる事が出来ます。Waveform Task の稼動中には進行状況が確認出来ます。

DC Bias
DC Bias TaskはDC電圧負荷を試料に設定時間だけ連続して印加します。負荷終了まで負荷持続時間を示す進捗状況確認画面が現れます。DC Biasは進捗画面のCancelボタンをクリックすることで終了することが可能です。負荷時間は1〜100,000秒を設定可能です。

Generic GPIB
VisionをインストールしたホストPCのGPIB(National Instrument社製 GPIBユニットを使用)を介して、特定の装置から Precision Tester へのメッセージの送受信を可能にします。同様に、GPIB-RS232C及びGPIB-RS485変換コネクターを介した、特定装置との送受信が可能です。

GPIB Set Temperature
VisionをインストールしたホストPCのGPIBを介して、GPIB(National Instrument社製 GPIBユニットを使用)を内蔵する恒温槽の温度制御を可能にします。Generic GPIB Taskと同様に、GPIB-RS232C、RS-485変換コネクターを介した恒温槽の制御が可能です。
National Instrument社製USB-GPIB変換器(外付け式)を介した恒温槽の制御も可能です。
Vision Version 5.11.6では、18社27タイプ以上の恒温槽が標準で組み込まれており、Visionのインストールと同時に使用可能です。
Vision Version 5.11.6のGPIB Set Temperature Taskで制御可能な恒温槽の詳細については、こちらをクリックしてください。
DLTS(深準位過渡応答)、PAINT(ソナー計測)といった特殊Taskの販売も開始しております。

プログラム制御Task

コントロール・タスクは5つのフォルダーと計25のTaskで構成されています。 計測定義の繰り返しを含む各種制御や、計測の補助を行うタスクです。

Pause
Pause Task はPCの画面上に、ユーザーが任意に書き込んだコメントを表示するダイアログボックスを表示し、ユーザーがダイアログに応答するまで、実験の実行をいつまでも延期します。このコメントはユーザーに次の作業を教えてくれます。 例えば、「プローブ・ステーションに次のサンプルを乗せて下さい」とか、「テスト続行は、何かキーを押してください」等です。

Delay
Delay Taskは設定時間だけ実行を停止します。その休止間中、経過時間と残り時間を示す進捗画面が表示されます。1〜100,000秒を設定可能です。Cancelボタンを押すことで、その継続時間を省略できます。

General Information
General Information Taskは、試料名、面積、厚さなどの計測情報を1回で設定するために使用します。このTaskの主たる特徴は、半角文字で30,000文字までのコメントボックスです。計測定義の長く詳細な説明を書き込むことができます。

Branch
Branch Task はプログラム制御を Test Sequence (実験の決められた順番)に有る特定のタスクにジャンプさせます。繰り返しの回数や目的の電圧、温度、パルス幅に到達するまでの繰り返し等を自由に設計できます。繰り返し制御を内包した繰り返しを制御するため、Nested Branch Taskも設定可能です(Version 4.8.x以降)。

File Start/Abort
File Start/Abortは外部機器との通信を、指定されたフォルダー内に書き込まれたテキストファイルで行います。File Start/Abort Taskは実行後、待機状態になり、フォルダー内に書き込まれたテキストファイルをトリガーとして、計測を継続するか、終了するかを判断します。 GPIB命令を入出力できない装置との通信に使用可能です。

Vision 5.x.xで追加・変更された機能については、こちらをご覧下さい。

ソフトウェアについてご質問がございましたら、弊社までご連絡いただければと思います。